青い影
軽めのファンダンゴを踏んで
床のうえをコインが転がった
僕は船酔い気味だったけど
みんなはもっとと囃し立てた
さらに大きな歌声が部屋を満たし
天井を吹き飛ばしそうだった
ドリンクをもう一杯注文すると
ウェイターはトレイを持って来た
製粉屋が身の上話を始めたとき
時間も遅かったので
彼女の顔は幽霊じみて
やがて青白い影を帯びた
彼女は言った「理由はないわ。
真実は簡単に見えるもの」
でも僕は自分のカードをもてあそびながら
海辺へ出て行く16人の純潔な処女の一人に
彼女をさせなかった
僕は目を開いていたけども
まるで閉じているようだった
製粉屋が身の上話を始めたとき
時間も遅かったので
彼女の顔は幽霊じみて
やがて青白い影を帯びた
(幻の歌詞)
彼女は言った「上陸休暇中なの」
でも実際僕たちは海にいたんだ
だから僕は彼女を鏡に映し
むりやり言い聞かせた
「君はネプチューンに乗る人魚だ」
けれど彼女がとても悲しそうに笑ったので
僕の怒りは瞬く間に消え去った
もし音楽が愛の食べ物なら
笑いはその妃
もし後ろが前なら
泥は真実うつくしい
そのとき僕の口はボール紙みたいに
頭からすっぽり抜け落ちてしまったようだった
だから僕たちはまっさかさまに飛び込んで
海のベッドに衝突した(Procol Harum "Whiter Shade of Pale")
……荒井由実の「ひこうき雲」の元ネタ(というかパクリ元)。で、さらにこの曲のイントロはバッハの「G線上のアリア(Arie auf G)」あるいはカンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ(Wachet auf, ruft uns die Stimme)」にインスパイアされたものと言われている。教会音楽風。いい曲だなあ。あ、和訳はあやしいです。