彼女は庭のフェンスをくぐり抜けて
彼女は庭のフェンスをくぐり抜けて言った
「苦労したけど もってきたわ
この薬はきっとあなたの
苦悩をすべて取り除いてくれるはず」
「君は存在しない」と僕は言ったけども
彼女は僕の手首をしっかりつかんで
背中から投げ落とし
僕を拷問台にしばりつけた
あれこれ議論をするまでもなく
僕は自分の心が見当違いの方向へ
逸れていることに気づいたし
それは僕の苦しみを増しただけだった
彼女は言った
「口がきけないようね
声が出ないの?
舌がないのかしら?
たぶん恥ずかしいからしゃべれないのね
それにオツムがなまけものなのかも
もう考えてもいないのよね?」
僕は急いで答えようとしたけども
嘘しか言えないことに気づいた
僕は馬鹿のように自分を信じた
ここにいるのは別の誰かなんだと
でも彼女には本当の僕が見えていて
また僕を僕のまま置き去りにした(Procol Harum "She Wandered Through The Garden Fence")
……例によって難解。どう訳してよいものやら。