愛少女ポリアンナ物語
「愛少女ポリアンナ物語」(1986 日本アニメーション)
というわけで全12巻を買った。〆て3万○千円也。うーむ、われながら完全に病気である。それはともかく、改めてこの作品はとてもよくできているのだ。連休中にひきこもって観るつもりだったが、あっという間に第1部(「少女パレアナ」相当部分)を観終わった。原作のおもしろいエピソードが適切に映像化され、細部まで丁寧に追いかけているのがよくわかる。ポリアンナが繰り出す電波すれすれの天然ギャグ、それを見事に表現した堀江美都子さんの素頓狂なアテレコがたいへん素晴らしい。ここらへんが虚構性を逆手にとれるアニメの強みであって、高純度のイノセンスたりえている。むしろシュールというべきか。日本放送協会の朝ドラあたりが真似をしても、脳内革命的なウンコくさい利己主義になるのがオチだろう。さらに原作に対して最大限の敬意を払いつつ、見事なアレンジをほどこしている。特にリスのペットを出したのがいい。チップマックというネーミングセンス(chipmunk:北米産のシマリス)も優れている。ちなみに孤児のジミーを連れてくるシーンは、原作ではフラフィとバフフィという猫だか犬だかをパレアナが拾ってきて、しまいに「叔母さま、猫よりも犬よりも、もっといいものを連れてきました。人間の男の子です」「乞食の子を連れてくるなんて!」という感じだった。村岡花子さんの珍訳がいい味だしてるので、一読をお薦めする。世界名作劇場のなかでも屈指のおもしろい作品なのに、ハイヂやパトラッシェより知名度が低いのは「し・あ・わ・せカーニバル」のせいだろう。ところでこのDVDの唯一の欠点は、ジャケットだ。作画監督の佐藤さんがわざわざ描きおろしてくださったらしいが明らかにヘタク…いや、まあいい。Always Look on the Bright Side of Life(?)