悪魔のシスター
「Sisters - Criterion Collection」(1973 USA Directed by Brian De Palma)
邦題「悪魔のシスター」Region All 英語字幕あり
デ・パルマ初期の怪作。もうすぐ邦盤が出るらしいので、ひねくれもののワシは逆に輸入盤を買った。で、ひさびさに観たわけだが、オープニングからビザール感覚全開、ぶっ飛んでて笑えます。怪しい感じがすごくイイ。デ・パルマ作品というと初期の名作、特に「ファントム・オブ・パラダイス」「キャリー」「フューリー」といった異端者の悲哀を湛えた作品が思い出されますが、一方で「わーっ!」とか言って人を脅かして喜んでいるような子供っぽい面もあって、どちらかというとこの作品は後者に属すると思う。「バスケットケース」で描かれたようなフリークスの悲哀とはほぼ無縁。見所としては無駄にかっこいいスプリットスクリーンの長回しや三段階ズームなどデ・パルマ十八番の映像遊び、バーナード・やりすぎ・ハーマンの大仰な音楽、それになんといってもマーゴット・キダーが一番美しかった頃の作品である。一番美しかった頃のマーゴット・キダーが下着一枚のやらしい格好でウロウロするので非常に得をした気分になったものだ。「消えた花嫁」を観て愕然として以来、マーゴット・キダーは別に好きな女優ではなくなったが(「消えた花嫁」は作品としては面白い)。デ・パルマがインスパイアされたというロシアのシャム双生児に関する記事が映像特典に収録されている。ところで、驚いたことにこの作品のリメイクが計画されているらしい。このなんともビミョーな話をデ・パルマ以外が撮る意味はあるのだろうか。