キル・ビル Vol.1
「キル・ビル Vol.1(KILL BILL: VOL.1)」(2003 米 クエンティン・タリランティーノ監督)
明るい女囚さそり、または女装した遠山の金さん。センスのいいオタク外人が「趣味」で作ったチャンバラコメディーですね。タリランの狙いが見えてくるに従って、真剣に観はじめたのを後悔した。真剣に観るべき映画ではなかったからである。狙い澄ましたくだらなさ、バカで過剰なバイオレンス、まぬけなワイヤーアクション、かと思えば凄惨な場面をいろどるムダに美しい華麗なカメラワーク、ムダにカッコいいショット、唐突に挿入される小ネタギャグ、あいかわらずの音楽の使い方の巧さ。このバカバカしいノリについていくのは根気がいるし、それなりに退屈もするが、あんまりバカバカしいので笑ってしまうかアクビをするかはその時の気分次第だろう。俺はアクビをしながら笑った。個人的に不満なのは、タリランが出演していないという点。役者としてのタリランのきもちわるさは尋常ではないので、タリラン主演で撮ればもっとおもしろい映画になったと思う。あとゴーゴーはもったいないね。あれで一本撮れる。まあ、豪華絢爛な脱力映画。★1/2