処刑軍団ザップ
「処刑軍団ザップ(I DRINK YOUR BLOOD)」(1970 米 デヴィッド・ダーストン監督)
一応カルト映画ということになっていて、一部マニアの間では非常に評価の高い作品です。まず、この安いというか異常にババッチイジャケのイラストが素敵ですね。腐った男の人の顔みたいなもんが描かれていますが、なんでしょうね、これ。意味不明な邦題もすばらしいですね。一見マンソンファミリーを思わせるヒッピーの乱行をタレ流すだけのゴミ映画のようですが、じつは残酷描写がなかなかシャープで、ところどころ笑えるシーンも用意されていて油断できません。そして登場人物のキャラが立ってる。あのガキいいねえ。グレアム・ヤングみたい。ユーミンそっくりのおばさんも笑った。首をしめられたジジイが入れ歯を吐き出すシーンとか、妊婦がなぜかいちいちカツラを外すシーンとか、工事現場のオッサンが大挙して追いかけてくるシーンあたりの腰ぬけ感は狙ってやってるようで一流のリアリズムとも思える。音楽最高。まぬけなアクションシーンを煽るまぬけな疾走チューン、ハエと蚊の羽音みたいな安い効果音が多用されるのも笑えます。なんだかんだでよくできていると思うし、ラストも詩的。「鮮血の美学」よりよほどお勧めできます。2倍速で見るとなお楽しい。ところでJVDのDVDは買う気が起こりません。せめてジャケは腐ったジジイにしてください。代わりに輸入盤を注文しときました。★1/2