奇跡の人
「The Miracle Worker」(1962 USA Directed by Arthur Penn)邦題「奇跡の人」Region1 Closed-Captioned
"Obedience Without Understanding is A Blindness Too."
個人的に「奇跡の人」といえばメリッサ・ギルバート主演のリメイクの方でして、ヘレンとサリバン先生の壮絶なバトルを通じて動物がいかに馴致されるかとかをリアルに描いたショッキングかつ感動的なドラマでした。リメイクでサリバン先生を演じたパティ・デュークがこのオリジナルではヘレン役を演じていますが、意外と可愛らしいのでたいへん驚きました。で、パンツまでみせてそれはもうイヤというほど暴れまくるのですが、まるで悪魔に乗り移られたリンダ・ブレアの奇行を見ているかのようです。さすがに十字架をぶっ刺したりはしませんけども、「エクソシスト/ザ・ミラクル」のタイトルで公開していたら観客の半分ぐらいは騙せたかもしれませんね。さらに特筆すべきはヘレンのボロ人形。ヘレンが振り回すたびに「ヒー」と泣くんですが、怖すぎます。ヘレンの怒りや絶望が頂点に達したとき絶妙のタイミングで「ヒー」と泣くんですね。非常にテクニカルな演出で、見事というほかありません。あとサリバン先生の回想シーンや悪夢シーンも異常にリアルで、マジで怖いです。夜ごとのたうつざらついたトラウマ映像はヘタなホラー作品を優に凌駕しており、まさに悪夢としか呼びようがありません。というわけでこれは「エクソシスト」なんかより遥かに怖い怖いホラー作品だと思ったのですが、ヘレンのお父さん役のオヤジがヒステリックなキャラで引いたのとラストはリメイクの方が優れているのではないかと思ったので、もうひと押しあればというところでした。★★