愛のメモリー
「Obsession」(1976 USA Directed by Brian De Palma)邦題「愛のメモリー」Region1 Closed-Captioned
傑作。脅迫する過去と記憶への固着をめぐる物語ってのが既にツボですね。既視感に満ちたこの感覚は「OBSESSION」と言わずしてなんであろうかと。どんなに巨大な墓標をもってしても葬ることのできない喪失感と罪悪感。それを埋め合わせるために奔走する中年男って設定が泣かせる。ぜんぜん違う話だけど「赤い影」とすごく被ってしまいます。それにしても童顔女優ジュヌヴィエーヴ・ビジョルドがすばらしいですね。なんというかありえないですね。名前がおもしろいという以外に意識したことはないのですが(「まぼろしの市街戦」「コーマ」みたいな渋い作品に出ているわりにインパクトがなかったので)この作品のビジョたんは最高です。サインください、ハァハァ。デ・パルマ的な映像遊びは抑え気味だし筋書きも簡単に読めるけど、プロットがどうのこうのではなくて、美しくも切ない愛の記憶を描ききった初期デ・パルマの記念碑。★★1/2