いつか見た青い空
「A Patch of Blue」(1965 USA Directed by Guy Green)邦題「いつか見た青い空」Region1 English-Subtitled Closed-Captioned
エリザベス・ハートマンのデビュー作。非常にカワイイですね。「奇跡の人」ミーツ「あしながおじさん」という感じのお話で、決して幸福ではなかったであろうエリザベス・ハートマンの実像とオーバラップしてなんとも物悲しい気持ちになりますけども、これは間違いなく秀作でしょう。それにしてもまあヒドイ家庭です。ジジイの方はまだ救いようがありますが、オカンが相当キておりますなあ。いかがわしい低脳スラング全開で後先考えずしばきまくる知能欠損ぶり。ジジイと顔をつきあわせれば「牛め!」「豚め!」とたちまち始まる罵倒合戦。米国のホワイトトラッシュなご家庭はみなさんこんなヒステリカルな気質をお持ちなのでしょうか。本作はまだ笑えるレベルですけども、事実だとすればなんともご苦労なことです。と、そんな最低家族大賞ノミネートものの環境であればこそ、ひとり甲斐甲斐しく立ち働くエリザベス・ハートマンの繊細な美しさが際立つのであり、掃き溜めに鶴の感もあって超えろいですね。散らばったビーズをあわてて手探りで集めるエリザベスたん萌え。ヘタクソな「Over The Rainbow」をためらいがちに吹くエリザベスたん萌え。そしておお、しゅみーず姿も実に神々し(ry。盲目のハンデゆえエリザベスたんがどんなひどい目に遭うかとワクワクハラハラしてしまいますが、そういう話ではないので念のため。一般に障害ものはややもすると嫌味が発生するので難しいところですが、主演の二人は嫌味なく見事に演じきっています。単なる恋愛ものにしなかったのがいいですね。ジェリー・ゴールドスミスのセンシティヴなスコアがまた絶品。あとこの邦題もどんぴしゃですばらしいですね。原題は「青の断片」とでも訳すのでしょうか。5歳で(アホの母親のせいで)失明する前に見た青い空の記憶が由来です。★★
以下、気に入った台詞
"I hate you, ole pa! I hate you. You dirty, drunken, selfish old bastard! I hate you!"
(Excite対訳)
「私はあなたが嫌いである、ole pa! 私はあなたが嫌いです。 この汚くて、酔っていて、利己的な年取った私生児! 私はあなたが嫌いです!」
"I hate you too, Rose-Ann! You filthy, cheap, stinking whore! You mean, ugly, slobbering cow!"
(Excite対訳)
「ローズ-アン、私はあなたも嫌いです! あなた、汚らわしくて、安くて、悪臭がある売春婦! この意地悪で、醜くて、よだれをたらしている牛!」
"I hate you both! I hate everybody! I hate everybody in this lousy, stinking world! I hate them! I hate them all!"
(Excite対訳)
「私はあなた方二人が嫌いです! 私はみんなが嫌いです! 私はこのシラミだらけの、そして、悪臭がある世界のみんなが嫌いです! 私はそれらが嫌いです! 私はそれらが皆、嫌いです!」