日蓮と蒙古大襲来
「日蓮と蒙古大襲来」(1958 日 渡辺邦男監督)
オープニングの弁が奮っている。「この映画は、(中略)歴史の事実から飛躍して自由に創作した物語である」←完全に居直ってます(笑)。法華経をフィーチャーしたテーマ曲がものすごくドラマチックなので、日蓮ちゃんが念力だか法力だか妙ちくりんなパワーで嵐を呼んだり鎮めたりとご苦労にも大活躍する『魔界転生』のような楽しい作品を想像していたのですが、じつに陰気くさく退屈きわまる内容で、おまけにやたらダラダラ長い。そしてセリフが半分以上聴き取り不能です。でもまあ話はなんとなくわかった。たぶん日蓮が急に悟りを開いて、あらゆる迫害や嘲笑をものともせず、キチガイ坊主と罵られながらも日本のために立ち上がり衆生を救済するという感動的な愛国仏教ムービー。辻説法のシーンなんかはよくできているので、学校の体育館とかで見せるのに最適ですね。大金を投じてこんなビミョーな映画を作り勃起していた当時の日本人はよほど娯楽に飢えていたのでしょう。坊主フェチのみ必見。ξ