クルテク もぐらくんと森の仲間たち Vol.1
「クルテク もぐらくんと森の仲間たち Vol.1(KRTKOVA DOBRODRUZSTVI)」(1957〜1999 チェコ ズデネック・ミレル監督)※DVDは6巻まで
DVDジャケットのこのもぐらに見覚えある方もいらっしゃるでしょう。そう、「もぐらとじどうしゃ」↓等で知られる絵本シリーズのあのもぐらです。
知名度はさほどではないかもしれませんが、この地味な小動物としては川内康範の「ドリモグだァ!!」に並ぶ名キャラだと思います。よりによってなぜもぐらなのか、と思わせる目の付け所がいいですね。で、このアニメは作者のズデネック・ミレルがみずから監督したもの。1957年から続いているようですから、相当な長寿シリーズです。いつのまにやら「もぐら」ではなく「もぐらくん」に妥協してしまったのがいささか残念ですが、内容は大人の鑑賞にも充分堪えるものだと思います。とりわけ「もぐらくんときのこ」のリリカルな美しさに感激しました。「もぐらくんはえいがスター」も洒落ていておもしろい。このシリーズの魅力を一言で言うとチェコらしいキモかわいさ、といったところでしょうか。「へへへへ」「ひひひひ」という各キャラクターの笑い声とか、よく泣くんだがその泣き声が異様にリアルできもちわるいとか、子供むけの軽さを装いつつ、さりげなくドラッグ感覚をまぎれこますあたりがチェコアニメの醍醐味でしょう。あと、もぐらの手って妙になまめかしいんだよねえ。グローブのように大きくて鋭い、でもなぜか肌色というこのギャップ。嗚呼、あの手で触れられたら、なんて想像するとちょっと興奮してしまいますね。もぐらはいいぜええ、もぐらはよおお(きゃー、変態)。★1/2