バトル・ヘルハウス
「あの壁の穴は悪い子供を焼くオーブンだったのよ」
「バトル・ヘルハウス(BEYOND DARKNESS/LA CASA 5)」(1990 伊 クライド・アンダーソン監督)
かなり以前にテレビで観て感心した作品。録画ビデオを引っ張り出してひさしぶりに観たが、おもしろかった。テレサ・F・ウォーカーたんの脱力美少女ぶりが萌え萌えなのは言うに及ばず、ところどころの悪夢的イメージが秀逸で、「ザ・チャイルド」みたいに子供がわらわらっと群がるシーンとか細木数子そっくりのババアがけたけた笑うシーンとか発狂するラジオとか、ビビらせつつなおかつ笑えるという、監督・脚本がクラウディオ・フラガッソーとは俄かには信じがたい作品である。役者がブサイクな顔でわめくだけの悪魔憑き映画とは違い、どちらかというと超常現象を主軸に「ポルターガイスト」や「ヘルハウス」をパクった感じの作品だが、二番煎じにならずむしろ本家を凌ぎかねない勢いがイタリア映画らしい。例によって悪魔祓い(?)のくだりはいまいちテンションが落ちるものの、それでも死屍累々たるエクソシズム系作品とは一線を画した秀作になっていると思う。音楽もカッコいい。
○どうでもいい知識
イタリア語原題はLA CASA(家)シリーズとして勝手につけられたものらしい。
LA CASA :「EVIL DEAD」(1982 USA Sam Raimi)(死霊のはらわた)
LA CASA 2:「EVIL DEAD II」(1987 USA Sam Raimi)(死霊のはらわた2)
LA CASA 3:「GHOSTHOUSE」(1988 USA,ITA Umberto Lenzi)(ゴーストハウス)
LA CASA 4:「WITCHERY」(1988 USA,ITA Fabrizio Laurenti)(エクソシストの謎)
LA CASA 5:「LA CASA 5」(1990 ITA Claudio Fragasso)(バトル・ヘルハウス)