仄暗い水の底から
「仄暗い水の底から」(2001 日 中田秀夫監督)
天井の染みからおしっこが滴るボロアパートに越してきた淑美は持ち前の情緒不安定を発揮して周囲を混乱に陥れるが、時を同じくして母親のヒステリーに感化された娘も小便を垂れながらぎくしゃくと近づいてくる子供の幻覚にうなされるようになり、やがて淑美はアパートの屋上の貯水槽に溜められたおしっこが幽霊の怨念仕掛けで作動していることに気づく。アパート全体が巨大なコーヒーメーカーだったのだ!・・・アパートを題材とした神経症ホラーとしてはきわめて凡庸なプロットとひねりを欠いた演出ながらも、母子家庭アンド水びたし廃墟萌えの設定に加え、幼稚園児の透けTシャツとパン○ラの心憎い演出(映画的には寧ろこちらが重要なファクター)を随所に交えつつ、切ない親子愛と幽霊の悲哀を軸にやり過ぎ感と物足りなさが交錯するオーソドックスな怪談にしあがっているのだが、ブサイクな十年後で大いに萎えました。★