サイレンス

「The Silence」（1998 IRA/FRA/TJK Directed by Mohsen Makhmalbaf）邦題「サイレンス」Region1 English-Subtitled 76分
マフマフバフよ、このスケベ。予告編を観て失禁しそうなぐらい感激したので即購入したのだが、いやはやこれはエロい。ストーリーは正直よくわからないというか説明できるようなものではないし、またイラン映画に魅了される前提として貧乏萌えがあるのは否めないが、それをさしひいても音と映像に対する本作の官能美は際立っている。「運命」を奏でる弦楽器のエロさ、何食わぬ顔で美少女を適切に配置する周到さ、とりわけナディーラへの執拗な接写（花弁の爪飾りや桜桃の耳飾り）や少年の調律に合わせて踊るシーンのいやらしさを見れば、マフマフバフが何を企図しているかは明らかである。一見意味不明なシーンにもそれとなく隠喩がすりこまれており、いつのまにやら観る者をめくるめく官能の世界へ引きずりこむのである。タイトルの通り最も美しいＢＧＭが静寂であるという事実を再認識させてくれる作品でもある。下品なバックミュージックまみれの現代人にぜひ。

美少女	接写
接写	接写