回転
「THE INNOCENTS」(1961 UK Directed by Jack Clayton)邦題「回転」Region1 English-Subtitled
ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転(TURN OF THE SCREW)』の映画化。原作の謎めいたタイトル、そして本作の「回転」という邦題が何をさしているかは解釈が難しいところだ。異界への導入アイテムとしてのオルゴールを指しているのかもしれないし、キリキリと張りつめながら徐々に恐怖を発動する装置としての屋敷を意味しているのかもしれない。まあ考えるだけ無駄だろう。さて、リメイクの「ホワイト・ナイトメア」を観ているので話は比較的わかりやすかった。白昼堂々、忽然と姿を現す大胆な幽霊描写もショッキングだが、こちらは兄妹の得体の知れない気色わるさがさらに強調されている。ガキ特有のキチガイじみたテンションが、邪気そのものに転じる瞬間の恐ろしさ。「ヘルハウス」で色っぽい霊媒を演じたパメラ・フランクリンが不気味な笑顔をひっさげて主人公の神経をいたぶるので、パメラたんにいたぶられたいやつは必見だ。あっけなく放り出されるラストに一抹の物足りなさもあるが、全体的に格調高いオーソドックスな怪談で退屈しなかった。フローラが口ずさむトラッドフォーク調の物悲しいメロディが胸に沁みる。★★