部屋 THE ROOM
「20畳一間。バス・トイレ・キッチンなし。駅遠し。コンビニは無制限に遠くて、夏は雨漏り、湿気。冬は風通しがよすぎて、健康には最悪。唯一の美点と言えば、窓の外の見晴らしが最高なことと、誰の気兼ねもいらないことと、昼も夜も静かなこと」
「言うことなし。満点だ」
「部屋 THE ROOM」(1993 日 園子温監督)英語字幕あり
だるくて陰気くさくて鬱陶しくて最高。くだらんおしゃべりも音楽も排除して、静かな静かなモノクロ画面に囁くようなセリフと静寂だけがコダマする。こんなしつこくて無意味な長回しはアントニオーニでもやるまい。洞口依子のエロさをあますところなく捉えるにはこの手法がもっともふさわしいわけだ。というか依子たんマジでエロすぎ。あらゆる視線の先に現出する断絶という名のエロス。じっさい依子たんがいなければチョーカッタルイ映画なわけだが、仮にこの映画の主役をそこらへんの女優と置き換えてみるとよくわかる。柴○コウ主演「部屋」、無理。江○マキコ主演「部屋」、観たくない。田○マキコ主演「部屋」、ありえない。洞口依子を窃視するための映画なのでストーリーはあってもなくてもどうでもいいわけだが、このラストは最高である。あと、死体だらけのエンドクレジットがやたらおかしい。★★