餌食
『二人の愛が燃えている かぜに吹かれてエキサイティング
好きになったら魔法をつかう 海辺のかもめになれるから
YOU YOU YOU YOU 夢を追いかけ 季節は何回かわったかしら
フロリダあたりでフライングラブよ
どこまでゆくの そらとぶ恋をみつけましょう
YOU YOU YOU YOU 夢を追いかけ フライングラブ ウフフフフ〜 フライングラブ』
「餌食」(1979 日 若松孝二監督)
「餌食」をみて 2年1組 はしもとりゅうたろう
さらあらいが得意なロック中年が、音楽ぎょうかいのふはいをまのあたりにし、ぶちぎれるまでを描いたしゃかいはドラマである。ニューヨークでの8ねん間の音楽しゅぎょうをえて、日本に帰国したチューヤ(内だ裕也)。売れもしないがいじんバンドの曲を売り出そうと、プロモーターとして成功した昔のバンド仲間を頼るが、てきとうにあしらわれる。ロックはすたれ、日本では女せいアイドルグループが大人気。チューヤの一途でごうまんな音楽への情熱は既に時代おくれだったのだ。かわりにカネとくすりとせっくすみみれのふはいした実態をまのあたりにする。チューヤのむかしのこいびとはすっかりヘロイン漬けにされ、がいじん専用のしょうふのようになっていた。おまけにニューヨークで8ねん間さらあらいをしていたことをばらされ、おおぜいの前で「ロックこじき」とバカにされるしまつ。おんがくぎょうかいって本当にくさってるんだなあと思った。ここにおよんでチューヤはついにぶちぎれる。そのけっか、敵味方にかんけいなく周囲のにんげんがどんどん変死していく。本当はぜんぶチューヤが殺したようなものだが、本人はそうは思っていない。しにがみみたいな男である。さんざん周囲に迷わくをかけたあげく、最後チュウーヤがやけくそになって、とんでもない行動に出るのには爆笑した。にんげん、やけくそになったらなんでもできるものだなあと思った。ただ、ぜんぺんにわたって、いやがらせのようにれげえがのべつまくなしに流れているのは閉口した。これではお経と同じだ。とくに最後に主人公が死ぬあのオチ、あそこはれげえじゃなくて「フライングラブ」を流すべきだろ!!と心のなかでつっこんだ。だいざいはわるくないが、詰めのあまさがおしまれる。かんけい者にちゅういをうながしたい。★1/2