家庭教師
「ん。まこれまあ、事実にはこれ、間違いないすけど、なんとか表現なんとかなんないですかねこの、その陰茎とかその、局部とかもてあそんだとか、なんかこう、いやらしい言葉だいぶならんどるでしょうこれ」
「おめえゆったとおりにおれは書いたんだぞ。なにがいやらしいだ、おまえがいやらしいことしたーからそのまま書いたんだ」
「家庭教師」(1987 日 渡邊文樹監督)
けけ、けしからん。まったくもってけしくりからん。心の中にNHKとPTAとIAEAとISSAを飼っている私の立場から申し上げると、たいへん破廉恥な映画である。「ゆきゆきて、神軍」みたいな似而非ドキュメンタリータッチなので、どこまで本当かよくわからないのだが、監督みずから教え子とけしからん行為に及び、新聞沙汰になっているのに悪びれた様子もない。あっけらかんと元どおりの日常が展開するという。すばらしい。なんだかよくわからんが笑える。監督自身の思い出なのかなんかわからないが、劇中に唐突に挿入される幼年期のエピソードがいちいち笑える。「積木くずし」風のバトルもおもしろかった。しかしまあ、めぐみちゃんてばやらしいわあ。田舎美少女風の垢抜けなさがすごくいい。めぐみちゃんへの執拗な接写がさらに犯罪色を強め、何語だかわからないほどの訛りが土着的エロスに拍車をかける。★1/2