1972-1991/頭脳警察
「1972-1991/頭脳警察」
職務質問の記念にこんなものを引っ張り出してみた。懐かしいなあ、「万物流転(Panta Rhei)」。むかし「Music Tomato Japan」とかいう番組で頻繁に流れていた。円熟期の壮大な名バラードである。で、あらためて聴くと、初期の頭脳警察はどちらかというとダサい曲が多いし、ボーカルも歌詞も尾崎豊をヘタクソにした感じである。だがそれがそのまま褒め言葉にもなる。そこに詩情と呼んでもいいものがあるからだ。「さようなら世界夫人よ」のような抒情的なフォークと「ふざけるんじゃねえよ」のようなパンキッシュな攻撃性とが矛盾なく共存しているのは、つまり両者が同根のものだからだという気がする。
どうでもいいが、最近観る映画も聴く音楽も退嬰化してきたというか、好みが固定してきて新しいものに手を出さなくなった。まあひまつぶしとはいえ、趣味なんてものは畢竟おのれの原体験や原風景を掘り起こしているだけなのかもしれない。
ああ 転げ落ちていくよ どこまでも どこまでも
ああ 水を掴むように やるせなく そう万物流転