今日の童話
三匹のコヴタ
むかしむかし、三匹のコヴタの兄弟がいました。
ある日、狼がやってきて、コヴタの家をつぶして回りました。
一匹目の家は藁でできていました。狼が鼻あらしを吹くと、ぺしゃんこになりました。
二匹目の家は泥でできていました。狼はせせら笑って小便をかけました。家はあっけなく崩壊しました。
三匹目の家はレンガでできていましたが、狼が蹴りをいれるとオモチャのように壊れました。
「なんと愚かな」狼は笑いました。ヴタどもの知恵があまりにお粗末だったからです。
それから「おれはせいきまつはしゃだ!」などとわけのわからないことを叫びました。
もう少し先に行くと、普通の家がありました。表札には「才田」と書かれていました。誰か知りませんでしたが、狼は躊躇なくぶっ壊しました。
また行くと「寂庵」と書かれたボロい家がありました。狼はふん、と言って頭突きをかましました。簡単に壊れました。
また行くと「細木」と書かれた無駄にでかい豪邸がありました。壊すのに無駄に時間がかかりました。
その隣に「徳光」と書かれた家があったので、狼はまわし蹴りをくらわせました。徳光の家はひとたまりもなくふっとんでしまいました。
またしばらく行くと「みの」という家がありました。狼はこれもおもいッきりぶち壊しました。
それから「明石家」「やしき」「上沼」「ピーコ」「矢沢」「小泉」「石原」「朝日新聞社」などと書かれた家がつぎつぎに破壊されました。
狼はいまも世界中の家を壊してまわっているそうです。
次はあなたの町へやって来るかもしれませんね。(おしまい)