月光の囁き
「月光の囁き」(1999 日 塩田明彦監督/喜国雅彦原作)
「このドヘンタイがああっ!」と罵られながら可憐な少女にち○んこを踏まれたい。というのは健康な一般男子の9割9分ぐらい*1が潜在的に抱いている妄想ですが、それを実行に移すと移さないとでは天と地ほどの隔たりがあるわけで、この映画の主人公は図らずもその願望を実現してしまったため、その後の人生が大きく変わってしまうのですね。そればかりか少年の変態性の感化を受けて可憐な少女であったところの女の方も自己の変態性に目覚めあさましいビッチと化してしまうのであった。そんなわけで、コメディではありませんがけっこう笑えました。変態はやはり変態というコンセプトが明快で、呪詛とともに立ち去るケミコ(?名前わすれた)のスカート下を執拗に見つめるフェチ少年の切なげでいやらしい視線というのがじつにいい。主役の女優がもう少しかわいいとよかったと思います。ハアハア言ってるだけでたいしてエロくありません。あとねじまがって元に戻るというラストは悪くないけど、むりやり爽やかにした感じ(スピッツの曲が強引すぎ)でもうちょいという感じでした。ところで「害虫」とかこれとか見る限り、この塩田という監督の作品は薄っぺらいと思います。軽いというよりも薄い。テーマに惹かれて見てしまうのだけれど、何かが足りない。そこにあるべき過剰ななにかが。そういえば精神的SMをテーマにしたらしい佐伯日菜子たん主演の「ギプス」がものすごく見たいのだが、近所のビデヲ屋に置いてないし、DVDを買うほどでもなさそうだし、どうしたものかと半月近く思い悩んでいるのだがどうしたものか。困ったのでおまえらなんとかしろ、はやく。★
*1:当社調べ