羊のうた
羊の群に紛れた狼は、さみしい牙で己の身を裂く
「羊のうた(THE LAMENT OF LAMB)」(2001 日 花堂純次監督/冬目景原作)109分
吸血鬼映画というよりも闘病映画。みずからの血の宿命に気づいた少年がその心優しさゆえ羊の群を襲うことができず苦悩する。雰囲気など悪くはないが、陳腐な台詞で説明しようとするシーンが惜しい。この手の非現実テーマだと熱演するほど嘘くさくなるので、ここはサラッと流して欲しいなあとか思ってみたり。しかし良いエピソードもある。絵を描く女の子が不憫でしかたがなかった。おっちゃんも笑わへん子の方が好きやでえ(でへ)。縁側で娘に自分の血を吸わせる父親といった図もいい。物語としては圧倒的に物足りないけども、愛だのなんだのショボイテーマに収束しなかったのは立派。★