コンセント
「コンセント」(2001 日 中原俊監督/田口ランディ原作)113分
御礼 泉シゲチヨ
このたびは徳之島○画祭へご招待に預かり、誠に感謝の念に堪えません。お蔭様で当方も百三十五回目のハピヴァースディを無事迎えることが出来、此れも偏に皆様方の御行為のタマモノと厚く御礼申し上げる次第で御座ゐます。又、お土産に頂戴しましたサンマのカルパチヨが殊のほか絶品で御座ゐましたこと、アレほどの美味を堪能しましたのは生まれて初めての事で御座ゐまして、矢鱈に長生きもしてみるものだと思った次第で御座ゐます。
閑話休題。サテ、「コンセント」をみて小生が感じましたのは、虚無、無色透明の純粋な虚無で御座ゐます。引篭りの兄を喪った女主人公が巫女として覚醒するまでの経緯をのらりくらりと描いた作品と拝察致しますが、作品の根底に横たわる青ざめし死の感触にリアルな冥土のイマージュを呼び醒まされ、寿命が二十年は縮んだ気がするほどで御座ゐます。然しながら、濃厚かつ迫真きわむるエロースの赤裸々にしてダイナミクな描写の数々は、当節の風紀紊乱の風潮を如実に物語り、老残の身に深甚なるショツクを齎しましたものの、同時に五歳はワカガエッタ気がする程で御座ゐます。
以上で御座ゐます。
毎度同じような感想許りで恐縮に存じます。
尚、当方の気の所為とは存じますが、主演女優の風貌に何処となく、その名を口にするも憚られるかの忌わしい暗黒一族の末裔の面影、否、紛う方なきインスマスの呪われし形質が明瞭に刻印せらるるように感ぜられましたが、マサカそのような気違ゐ染みた絵空事が現実に存在する筈もなく、何卒、耄碌爺の世迷言とお聞き流し戴ければ幸いに存じます。末筆ながら貴映画祭の益々のご健勝と御活躍をお祈り致しますとともに、次回も徳之島映画祭にマタゾロお呼ばれ戴こうなどと厚釜しい画策は一切致しておりまんことを申し添える次第で御座ゐます。★