TOYD トイド

「心理捜査官って大変ですよね」
「どうして?」
「人の心を読むんでしょ。自分もただの人間のくせして」
「TOYD トイド」(2002 日 森淳一監督)90分
核家族の解体と子供の知能犯による殺人という、一見「青の炎」を思わせる倒叙サスペンスだが、AIBOブームに合わせたのか携帯電話によるロボットの遠隔操作というひねりが加えられていて面白かった。どう見ても売れるワケがないTOYDの不気味なルックスがすばらしい。胎児を象ったような狂ったデザインで、これがまた惚れ惚れするようなキショイ言動とるのだがなぜか子供に大人気(笑)。「赤ちゃんよ永遠に」「チャイルド・プレイ」「ドールハウス」などと同じく、心の隙間を埋め合わせるためのロボットや人形が客観的にはことごとくきもちわるいという事実は注目に値します。家族の断絶という現代的なテーマを盛り込んだシナリオは練られていて無理がなく、繊細な演出と俳優陣の的確な演技がそれを実現ならしめている。3:4:5の三角形の5を底辺としたときの高さが2.4であることを瞬時に計算できるかわりに制御不能の心の暗部を抱える、みずからをロボットと称する少年の不気味さ。石田未来たむも可愛くてエロかった。あんなきしょくわるいロボットをかわいがるほど寂しいだなんてオジサン激萌え。あと特筆すべきはクラシック音楽の使い方が良い。演奏シーンから殺人シーンへと移行するラベルのボレロがかっこいいし、単体で聴くと死ぬほどつまらん○ーツァルトのアンダンテも緊迫感のある画に組み合わせるとそのゆるさが逆に不安を煽る。★1/2