愛のかたち
愛は幻想である。問題はエロティシズムなのだ。
「愛のかたち(LOVE RITUAL/RITO D'AMORE)」(1989 伊 アルド・ラド監督)
「コレはもう一つの佐川君からの手紙だ!」という惹句に釣られて借りてしまったのだが、いまいち面白味もなく見どころにも欠ける作品だった。人肉食と言っても刺身のひと切れ程度なので、「トランス/愛の晩餐」の完食ぶりに比べると遙かに見劣りする。うだらうだらと観念的に酔ったあげく、生=食=性=死という等式が提示されて終わり。まあそりゃそうなんだろうけど(笑)。いちばん奮っているのは映画の最後に出る字幕。
「数年前、パリである青年が恋人を殺しその肉を食べた。この映画は想像の産物だが、現実が想像を超えることもある。作中の人物も事件も架空のもので、類似の点があれば偶然に過ぎない」
これって、かいつまんで言うとこうなるんだが。
「本作はとある事件に似ているがフィクションなので一切関係ありません。ていうかこの映画、つまんないよ(笑)」ξ