Grand-Guignol K.K.K

The half of this site consists of gentleness. The other half of this site consists of lie. Sorry, this is all shit in the end. Here is MATERIAL EVIDENCE: (^ ^)ノヽξ

今日のポエム


純情きらり 1ねん1くみ もりしげひさや

春の小川のせせらぎに
キラキラと少女の遊びおり
腐爛死体の起き上がりて
背後より迫れるを
少女は知らざりき
そは生ける屍
《ぞむび》なりしか
ぞむび、少女に近づきてかく云へり
「はじめまして。
私の名はアグリッパと申します。
をぜうさん、一緒に遊びませう」
而して死者の悲しさ
壊疽したる声帯よりは
キイキイと摩擦音の漏れるのみ
少女、慄(おのの)きうち震へたるも
ぞむびの顔面より眼球の
ぴんぽん球の如く垂れ下がれるを
おもしろがりて
手づかみにて是を引きちぎりにけり
少女、うち喜びて曰く
「汝、シュールレアリズム絵画に非ずや」
アグリッパも嬉しがりて
みずから開腹し
腐り果てたる臓物を取りいだし
キイキイと歓声を上げぬ
少女、笑ひ転げり
「汝、たーへるあなとみあなるべし」
少女、アグリッパの手を引きて
村の広場まで導きにけり
人々うち驚きて
アグリッパを少女より遠ざけり
なほも農具で威嚇し
これを鐘楼の袂へ追いつめぬ
アグリッパ歎き悲しみて
鐘楼を攀(よ)じ登りぬ
辿り着きし頂きより
見下ろせば
遙かに望む眼下の光景
手を振る少女の笑顔悲し
嗚呼
憧憬(あくがれ)とほく
希望(のぞみ)はかなし
ホレイショの哲学、竟(つい)に何等のオーソリチーを値するものぞ
期せずして両の眼窩より
噴き零るる腐汁きらり
かくてアグリッパ
絶望とともに
鐘楼より投身し
どどめ色の薔薇を地上に咲かせり

【コメント】蛆湧き、腐肉躍るお話です。涙なしには読めません(笑)。