HINOKIO ヒノキオ
「HINOKIO INTER GALACTIC LOVE ヒノキオ」(2004 日 秋山貴彦監督)111分
どつぼ。詰め込みすぎ感はあるものの、よくこれだけ詰め込んだなと思うぐらい、随所に仕掛けられた萌えの花が美しく咲いた傑作ファンタジーである。まあここだけのハナシ、小林涼子たむが目当てで借りたのだが、優等生&メガネッコ美少女萌え萌えっ、と思ったらまさか本気でちんこを蹴り上げてくるとは。絶叫しながら飛び上がる羽目になりました。で、意外にもクラスのガキ大将ジュンが予期せぬ伏兵なのだが、正直惚れた。ヒノキオに抱きつく絵がいいですね。タンクトップに仕組まれた第二の罠。さらにヒノキオ自体もかわいい。限りなく無表情に近いヒノキオの人間的な動きは、人類が抱く永遠の幻想であろう。CGであることを意識させない時点で成功しているし、そもそも異物感を前提としたロボットにはCGで表現する必然性があるので、これは正しいCGの使用例である。ヒノキオの顔を模ったロゴも萌える。かわいげのない発言を連発するサトルが、感覚フィードバック機構を得てヒノキオと同化するに及び、徐々に変化していく過程も見どころである。意思をもったヒノキオが少年を助けたりする安い展開や、ロボットとの友情というような白々しいテーマでないのがいい。ヒノキオはあくまで脇役であり、少年と外界とを繋ぐ唯一の接点たるヒノキオという、その仮面をはがれていく少年の覚醒と自立にこそ本作の焦点があるのだ。加えて、本作は異形のラブストーリーでもある。双曲線のように近づき遠ざかる二つの魂。そこに芽生える内的宇宙の交感。触れそうで触れないこの切なさはそう、パン○ラの美学ですね。途中に挿入される恥ずかしい台詞やいささか笑ってしまうシーンが決して欠点にならずに、洗練されたベタになりえているところが素晴らしい。あそこで「To Love Somebody」を使うのも反則であろう。で、極め付きはエンディングテーマのYUIたん。殺人鬼ですかこの子は。恥ずかしながらおぢさんボロ泣き、萌え殺されるかと思いました。まったく、この映画の評価がいまいち低いなんて信じられん。どいつもこいつもどんなチンコしてんだよ。★★
というわけで早速DVDを買ったところ、キーホルダーとか矢鱈おまけがついていて、なんだかよくわからないが得をしました。