ランド・オブ・ザ・デッド
「ランド・オブ・ザ・デッド(LAND OF THE DEAD)」(2005 米・加・仏 ジョージ・A・ロメロ監督)93分
なんだかよくわからない話だったが、ゾンビ映画にストーリーなんてあってないようなものだしまあいいかと思った。ゾンビ映画であることが一種の足かせなので、小理屈をこねずにサービスショットで押しまくることの方が重要だ。だからと言って無抵抗なゾンビを銃で撃ちまくるだけの映像ほど無味乾燥なものはなくて、個人的には腐爛ゾンビの美しい行進と人間が食われまくる愉快なシーンさえあればあとはどうでもいいと思う。その点、シリーズのグロコメ路線を引き継いだ本作はゾンビ映画として水準以上と言える。花火を見上げるゾンビというファンタジックで美しい光景は、これだけでも観る価値があると思います。アーシア・アルジェントも美しい。ただ、人間側の描写に時間を割きすぎているのでどうしても途中で飽きてくる。ゾンビが飽かずに空を見上げている映画だったら、あるいは傑作になったかもしれない。★