ガンバの冒険 劇場版
「冒険者たち ガンバと7匹のなかま」(1984 日 出崎統監督/斎藤惇夫原作)93分
私のような天邪鬼ですら手放しで礼賛したくなるほど素晴らしい「ガンバの冒険」、その26話分を劇場用に再編集、吹き替え再録したダイジェスト版である(画像は旧単品のもの)。比較すると当然ながら端折りすぎたり性急すぎたりして物足りない印象はあるものの、「ガンバ」の魅力は充分に伝わってくる。というかラストの一部の音楽・吹き替えなどはテレビ版よりもよくなっている(逆にノロイの唸り声や雄叫びは迫力が落ちているが)ので観ても決して損はしない。★★
「ガンバとカワウソの冒険」(1991 日 大賀俊二監督/斎藤惇夫原作)80分
友情と裏切り、償いと赦し、自己犠牲といったテーマも踏襲されているし、キャラクターも相変わらず魅力的なのだが、制作スタッフがそっくり入れ替わっているせいでやはり別物。決してつまんなくはないが、テレビ版の魔術は消え失せて、なんだか普通の動物アニメといった印象を受けた。画面にただならぬ緊張感と重量感を与えていた美術と音楽が欠けているのがおそらく最大の原因だろう。それはさておき、ひとつ致命的なのは、あからさまな人類告発のメッセージが完全に滑っている点。愛くるしい動物キャラでカモフラージュする分にはいいのだが、あの身震いするほど脱力的なエンディングテーマを聞いた瞬間、反省する気力が一気に失せた。なお、公言するのは憚られるが、カワウソのお姉さんのカワモたん↓がじつに萌える美少女であったことを付記しておきたい。というか惚れました。★