ノロイ
「ノロイ」(2005 日 白石晃士監督)115分
「あ、あの、すいません。ちょっと、この辺、取材に、来てるんですけど」
「なんでそんな言い方ができんだよ」
「・・・あの〜、す、すこし」
「あぁ〜何でそんな言い方ができるんだって訊いてんだよ!」
「お話をちょっと・・・伺わせて」
「言い方!!」
「あ、すみません、あの、私小林」
ばたん
上映時間が不相応に長いのと途中で退屈するのが難点ながら、要所に画面から立ちのぼる禍々しさが強烈。貧乏そうな家を訪ねると凶悪な人相の女が出てきてなぜかブチ切れ、というホラーコントさながらのつかみをはじめ、かぐたばのお面をかぶったまま錯乱するシーン、超能力少女・菅野莉央たん(「仄暗い水の底から」のパン○ラ子役)に○○が群がるシーン、石井潤子の家を埋め尽くす呪物のシーンなど、手ブレカメラ+褪色・ノイズ効果をほどこした映像が狂気じみた迫力を生んでいる。同じやらせドキュメンタリーの「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が手法に依存して「映画」を完成しなかったのに対して、石井潤子の凶悪さは「映画」による現実の侵蝕そのもの、まさに偽者のリアリティがリアルを凌駕した瞬間と申せましょう。アルミホイルで霊体ミミズから逃れようとする霊能力者もウケた。★1/2