発情ロリータ〜地獄の感謝祭〜
この連休中のビチ子の予定は次の通り。
土曜日 午前:イモ掘り、午後:ヒ・ミ・ツ(イモ掘り)
日曜日 午前:映画(と見せかけてイモ掘り)、午後:イモ掘り(と見せかけてイモ掘り)
月曜日 午前:居眠り(イモ掘りの夢をみながら)、午後:イモ掘り
どうよ?とても16歳の乙女の休日とは思えないこのスケジュール。
一体どうしてこんなことになってしまったの?いつどこでどう人生の選択を誤ったの?ビチ子はあせりすぎたの?むやみに何もかも捨てちまったけれど?
えーん、誰かビチ子を慰めてよー。優しくしかってそして強く抱きしめておくれ。イヤッ!触らないで!おまえたちのあわれみなど受けたくはない!(俺は負け犬なんかじゃないから!)
というわけで、あきらめてイモ掘りしてきました。
実を言えばビチ子はこういうの得意なんだお。やったことある人なら判ると思うケド、イモ堀りというのは遺跡発掘作業みたいなものです。
まず茎から太い根っこをたどって、イモの構造をあらかた探り当てます。地中でひそやかに息づくイモたちを傷つけないよう、手とスコップで慎重に周辺の土を掘り崩していくと、やがて地中に張り巡らされたイモの全貌が立ち現れます。さらに綺麗に土をはらいのければ、ジャジャーン、赤黒くたくましく怒張したサツマイモの群れが!
複雑に入り組んだ根っこの骨組みに支えられ、中空に架かるイモのオブジェ。その堂々たる勇姿はあたかも前衛アートを彷彿させます。マジ、イモってアートだよ。畑のアート。マッチョなイモの隣に小学生のおちんちんぐらいのがへろんとついてたりして。こうなるともはやポエムだね。詩の深さと陰翳がある。
一流仏師の言:
「仏さんは始めから木の中に宿ったはります。わたしらはただそれを木の中から掘り起こすだけどすわ」
イモ掘りもちょうどそれと同じ。わたくしどもは土の底深くに埋もれたイモという陰鬱な詩を発見し、掘り起こす詩人なのである。
そんなわけで、ビチ子が丹精こめて掘り出したイモがいつかみなさんの食卓に上がるかもしれません。みんなもこんどおイモを食べるときはビチ子だと思って、着物を一枚一枚脱がせるようにやさしく食べてね!
なんちゃってウッソ〜!うちのは売るためじゃないので、ビチ子の掘ったイモがおまえたちの食卓に上がる可能性など万に一つもございません。ずゎんねんでした〜(きゃぴー。
♪追い立てられる田舎(まち)のなか アスファルトに耳をあて
雑踏の下埋もれてる イモ(歌)を見つけ出したい