アインシュタインの脳
「アインシュタインの脳(EINSTEIN'S BRAIN)」(1994 英 ケヴィン・ハル監督)65分
研究用に摘出されたまま行方不明とされるアインシュタイン博士の脳みそを求め、異国の地を奔走する日本人の姿を追った異色ドキュメンタリー。トンデモ系のキャッチコピーがついておりますが、いちおうBBCが制作した至って真面目な作品です。近畿大学教授の杉元賢治氏は自称「アインシュタイン研究家」。幻の博士の脳みそをこの目で見たい一心で、大学教授とは思えない稚拙なカタコト英語を駆使しつつ、次第に核心に迫る様子がロードムービー風にかわいらしく描かれる。やがて氏の情熱と通訳の活躍が実を結び脳の所在が判明、ついに杉元氏はホルマリン漬けの博士の脳と対面を果たす。さまざまな角度から脳を激写したお宝写真をもらって大喜びする杉元氏だったが、昂ぶる欲望を抑えきれず、アレを外に出して見せてもらえませんか、できうるならば触りたい、てか土産にください、むしろ食わせろと法外な要求をつきつけるのだった。こうして1口サイズの脳のカケラを無事ゲット。ご満悦の態で帰路に着いた杉元氏のその後の消息は杳として知れない。*1★
*1:と思ったらつい先日お亡くなりになったようです。合掌。