感染
「感染」(2004 日 落合正幸監督)98分
「なんですかこれは」
「どう理解したらいいのか。内臓も溶けはじめている」
「私をみて、笑いかけてきました」
「私にもだ」
とりあえず前半の窒息感が強烈。マジで吐きそうになった。経営危機、過労、医療ミス、隠蔽、未知のウイルス・・・この生々しい八方塞りは当事者ならずとも悲鳴をあげたくなる。病院関係者ならオムツ必携であろう。話が進むにつれ登場人物の心理が具現するかのようにグロと不条理が加速していく。過剰なお化け屋敷演出は通常陳腐になってしまうが、ここまで徹底されると逆に潔さを感じる。ハリウッド製ホラーなどぜんぜんなまぬるい。キツネやブランコなどいやあな不快感と不安を煽るための仕掛けの意味不明さもすごい。いわゆるなんでもあり的な結末だとか下品ともとられかねない演出のせいで世間的にはやたら評判の悪い作品ですが、観客に極上の悪夢を見せようというハッタリ意欲は高く評価できる。星野真理のエロさも見逃せない。★1/2