ルパン
「ルパン(ARSENE LUPIN)」(2004 仏・伊・西・英 ジャン=ポール・サロメ監督/モーリス・ルブラン原作)132分
わたくすの小学生の頃はTV・レディオ・漫画・ゲームといった娯楽が周囲に乏しく、もっぱらダディが公立図書館から借りてくる本が楽しみだったりしたものです。とくにポ○ラ社のハードカバー「少年探偵団」「アルセーヌ・ルパン」「シャーロック・ホームズ」の各シリーズは当時の(友だちのいない)小学生の三種の神器みたいなもので、灯火管制の闇のなか行灯の明かりを頼りにむさぼり読んでは、わたくそもいつの日かルパンや二十面相みたいなカッコいいはんざいしゃになるのだ!と胸をトキメかせたものです。そんなある日、こどもむけのやつやと思って父親が借りてきた江戸川乱歩著『芋虫』を読んでこの小学生は頭がおかしくなってしまうのですが、それはまた別の話。そんなわけで、わだくそのなかでルパンと言えば、シルクハットに赤リボン(それは蝶ネクタイと云ふのだ)、モノクルをつけたダンディなオッサンのイメージがあるのだが、それもこれもポプラ社の本のカバーイラストによって植え付けられたものなんですね。さて、この作品を観てちょっと驚いたのが、嘘か本当か知らないがルパンという姓の由来。ルピナス(lupin〔lú:pin〕)が語源らしいのだが、そのわりにルピンじゃなくてルパンなんだな。chopinがチョピンではなくショパンみたいなものだろうか。もっとも、峰不二子(増山江威子)が鼻にかかった声で「ねぇ〜ん、ルピ〜ン♥」なんて擦り寄ってきたらルパンでなくても足蹴にしたくなるので、きっとルパンで正解なんでしょうね。えー。余計なことを書きすぎて感想を書くスペースがなくなったのでこれまで。★