Grand-Guignol K.K.K

The half of this site consists of gentleness. The other half of this site consists of lie. Sorry, this is all shit in the end. Here is MATERIAL EVIDENCE: (^ ^)ノヽξ

今日の童話


流れよわがウンコ、と警官は言った 1ねん1くみ ジョニー大倉

”ちんこを落としたんです!”
目を血走らせた男が駆け込んできた。
”みませんでしたか、わたくしのちんこを?
ここらへんで、確かにここらへんで落としたのです。
さがしてください、わたくしといっしょに、わたくしのちんこを!”
いや、そんなものは知りません、と私。そんな落し物も届いていません。
ただ、さっきだれかの排泄物とおぼしき物体が床に転がっていましたよ。
トイレに捨てましたけどね。
邪魔だし。
てかうんこだし。
”そそそそ”と男。”そのぅんこ、うんこは
悲しみにぬれてやしませんでしたか?”
さあ、どうでしたかねえ。と私。
そういえば、全体からなんともいえない哀愁のようなものが漂っていましたっけ。
そう、まるで背中で泣いているようにも見えました。
流しましたけど。
”あああああああ”
男は絶望的な声をあげた。
”それは間違いなくわたくしのちんこです!失われたわたくしのちんこです!
それをあなたは、こともあろうにうんことまちがえてトイレに投げ捨て
あまつさえ水で流してしまったというのですか!”
まあ、と私。いいじゃないですか、ちんこのひとつやふたつ。
どうせなんの役にも立ちやしないんですから。
”おまえに”と男は涙目で訴えてきた。”おまえにわたくしの何がわかるというのだ?
いいやわかるものか!ちんこを失ったわたくしの悲しみが!!”
男がつかみかかってきた。
”かえしてください、わたくしのちんこを、かえしてくれ!
かえせ!!
私はなんだかめんどくさくなって男を殴り倒し、
ふらふらとトイレを出た。
出口に見知らぬちんこが落ちていたので、思い切り遠くへ蹴飛ばした。
空がやけにまぶしかった。