サイレントヒル
「サイレントヒル(SILENT HILL)」(2006 米・日・加・仏 クリストフ・ガンズ監督)126分
灰の降り積もる異郷の地を見え隠れする少女、といった趣で迷宮化していく導入は「赤い影」みたいで悪くなかったが、その後はゲームの長あいムービーシーンを観ている感じで異常につまらなかった。しょせん正気の人がむりやり作ったホラー。いろいろとツギハギをあてがって飾りたてているが、この映画を動かしている原理そのものが貧相なので、乞食がオシャレをした程度にしか見えない。映像がムダにグロイという評価も見受けるが、CGで構成したグロなど生理的嫌悪をもよおすレベルではない。そもそもCGを多用した本格的ホラーなんて作れっこないんだから、割り切ってフルCGにするか、薄っぺらさを逆手にとってコメディにすればいいのになあと思う。こどもゾンビみたいな連中なんて完全にギャグだしな。それにしても邦画「サイレン」とこの映画の違いがわからん。タイトルも話も登場人物も同じに見える。つまりさっぱり印象に残らない。完全に病気だな、ハリウッド(笑)。ξ