象牙色のアイドル
「象牙色のアイドル(LA RESIDENCIA)」(1970 仏・英・西 ナルシソ・イバニエス・セラドール監督)105分
「アビニョンで仕事?どの劇場で歌ってるの?どこの劇場?」
「ティボリ・・・」
「それって歌声酒場とかいかがわしい所?ティボリって何、テレサ?ティボリってなあにテレサ!?」
「キャバレー・・・」
「キャバレー!?売春婦がいる所よ!母親も?ねえ、母親は売春婦なの?答えて!」
というわけでセラドールの2本しかない劇場公開作のもう1本。わけのわからない邦題は犯人役の俳優のアイドル人気にあやかったものらしいがどうでもいいです。それよりも嫉妬と欲望が渦巻く女子寮の陰湿な雰囲気を堪能できる貴重な作品。「ソランジェ」「悪魔の墓場」のクリスティーナ・ガルボたんがカワイイ!例によって途中で殺されてしまいますが、麗しのクリスティーナたんが母親の職業をめぐって執拗にいじめられるシーンはとてもかわいそうでこうふんしました。さらに特筆すべきは欲求不満の女子生徒たちが男との逢引を妄想しながらイライラと裁縫するシーンの異常なテンション!こわいよー、えろいよー。また時間は短いが美しい旋律とスローモーションによる殺人シーンも尋常ならぬ迫力があります。話としてはたいしたことないというか、80分で収めるべき内容をひきのばして冗長になっているのが惜しい。★