水の女
「水の女」(2002 日 杉森秀則監督)115分
「お不動さんや」
「あ?」
「それ、火の神さんやねん。周りいっぱい炎に囲まれてるやろ」
「ほんまや」
「怖い顔してはるけど、私らを脅かしてるんちゃうねんで。体を炎で包んで、私らの心の中の悪魔を脅かしてくれてはんねん」
「しょうもないことよう知ってるな」
「砂の女」という超怖い映画があったが、あれとは対照的に「水の女」はとても優しい。万物の四大元素「水・火・風・地」をモチーフに現代の神話を作りたかった、とインタビューで監督が語っている通り、ちょっとタルコっぽい感じのとりとめがない話なんだけど、プリミティブで説明不能のおもしろさがある。「煙突を下から覗いて太陽にクローズアップ」「水滴にUAが逆立ちして映るシーン」「富士山の絵の変遷」など、場面のつなぎ方とか音楽の使い方に新鮮な驚きがあって魅力的。変にコミカルなシーンがあるのも印象的。「ズボンに火がつくシーン」「犬を散歩させる男(ぼんちおさむ)」「ババアの生い立ちを勝手に作り上げるシーン」。しかし作品の不思議な雰囲気からすると最後の方の展開はどうも腑に落ちない。火の男が燃えながら転落するのはいいとして(「沙耶のいる透視図」を思い出した)、性急すぎるというか、息切れしてしまった感じ。UAの主題歌もいまいち合ってない。しかしUAえろいな。まさかと思うだろうが、まじでえろいです。オレがゴリラなら間違いなく惚れてるだろう。コンゴの奥地で出会いたい感じ。★1/2