CASSHERN
「CASSHERN(CASSHERN)」(2004 日 紀里谷和明監督/竜の子プロダクション原作「新造人間キャシャーン」)141分
「人間が人間である限り、人間が幸せに暮らせる世界は生まれんのだ。それを人間の歴史や宗教が明らかにしているではないか」
「僕らはまず赦しあうべきだったんだ。お互いがこの世に存在するということを」
人は死んでも生き返る 1ねん1くみ たんばてつろう
ストーリーはほぼ破綻しているうえ意味不明な台詞も多いが、そんなことは気にならないぐらいなかなかおもしろい映画でした。全編にわたってきもちいいほど加工しまくったCG映像も違和感なく、1:00あたりの物理法則を完全に無視したアクションシーンもすばらしいギャグになりえている。かと思えばムーンライトソナタが神妙に流れて、「おまえにとって善とは何だ!?」的な禅問答をふっかけてくるので油断ならない。主人公は最後に爆死しましたが、不思議と希望の残るラストでした。宇多田ヒ○ルのテーマ曲も感動的。しかし伊勢谷はおもろいなあ。「笑う大天使(ミカエル)」「ハチミツとクローバー」でも非凡なものを感じたが、どんな退屈なシーンもこの人が淡々と台詞を棒読みするだけでおもしろくなる。ある意味天才。ただし彼は「演技」をするといかん。本作でもなんか激昂して力説するシーンがあったが、逆に陳腐になった。そこはもっと棒読みだろ!と思った。ところで、わたくしのことを死んだと言う人がいるようだがそのようなデマを流すのはやめてほしい。確かに一度死にかけたが、この通りピンピンしておる。というか人は死んでも生き返るのであり、それを証明しようとしたのがこの映画。形を変えたゾンビ映画といえなくもない。ゾンビ映画に理屈は不要。わかったかな?映画ヲタク諸君(笑)。★1/2