水霊 ミズチ
「水霊 ミズチ」(2006 日 山本清史監督/田中啓文原作)102分
「こないだね、わたしの知り合いが自殺したの。目をえぐりとって・・・。よく公園の水道水を飲んでたらしいの」
痛快爆笑ホラー 1ねん1くみ はなだまさる
(あらすじ)
どっかの古代遺跡(?)にあの世と繋がっている泉があり「のんだらしぬ水(死に水)」が湧いている。この死に水が地殻変動により日本各地の地下に流れ込んだからさあ大変!!。人々は軒なみ発狂し、みずから目を突き刺すなどの奇行のすえ意味不明な死を遂げていく。
(かんそう)
なにしろ登場人物の行動原理が完全にぶっ壊れており、ありえないシーンが平然と進行していくので、まれにみるシュールな作品になっている。0:30ごろのハゲになるシーン(笑)自分の首をへし折って360度以上回転するシーン、ハトと人の連続自殺や赤ん坊の飛び降りと生首配達など見どころには事欠かず、意味不明な過剰演出がことごとくギャグに化けている。出演陣の大根演技も効果的です。井川遥たんの身も蓋もないナレーション「犬死にだった」、「シュールすぎる」「あれ、骨食べてた?」などのおもしろい台詞も枚挙にいとまがない。「猛獣大脱走」では化学物質による汚染とゆうもっともらしい説明が附されていたが、本作では「呪いかなんか」ではっきりせず、このわけのわからなさこそ近年の映画が見失ったホラーの原点であろう。実はこの映画のスタッフ観客もろともこのきちがい病にかかっていたという壮大なトリックだったりして(笑)。しかし井川遥たんえろゆすのうハァハァ。大仰な悲鳴をあげるわりに行動がいちいち冷静で笑った。なんか最近のホラーの中では異常に好感のもてる映画でした。★1/2