ブルークリスマス
「ブルークリスマス(BLOOD TYPE:BLUE)」(1978 日 岡本喜八監督/倉本聰脚本)133分
世界三大がっかりSF 1ねん1くみ ひかげただお
(あらすじ)
哺乳類の血液はたんぱく質と鉄が結びついたヘモグロビンによる赤色であるが、エビやイカなどの無脊椎動物はたんぱく質と銅が結びついたヘモシアニンによる青色の血液を持っています(もっとも肉眼的には「限りなく透明に近いブルー」らしいが)。ある日ゆーふぉーの怪光線を浴びた人々が突然変異を遂げ、このエビイカ型の血液になったからサア大変! エビイカ人間を放逐しようと世界中で大虐殺が始まりますが・・・
(かんそう)
「ソイレント・グリーン」「オメガマン」と並び70年代を代表するがっかりSF。「北の国から」の脚本家にSFを書かせたらこんな稚拙なもんがでけた!(笑) 変異する過程が映像ではなく台詞で説明されるだけなのでまったく説得力がなく、血が青い(しかも明らかにそれとわかる青インク)というだけで排除される理由もわからん。理不尽な迫害には違いないが、まったく同情する気になれません。ストーリーもお粗末ならば映像にも魅力なし。特撮ぬきのボロいセットでA級のSFに仕立て上げた「惑星ソラリス」とはえらい違いである。しかもムダに長い。2時間以上も費やすべき題材とは思えない。数少ないみどころとしては竹下景子が勝野洋を誘惑するシーン(エロい)と、ワールドワイドに勃発するラストの華麗なジェノサイド。ジャン、アラン、リノ、ジョルジュの愉快な外人たちが結成した謎のロックバンド「ザ・ヒューマノイド」が飛行機事故であっさり死んだのがいちばんかわいそうだった(笑)。ξ