悪夢探偵
「悪夢探偵(NIGHTMARE DETECTIVE)」(2006 日 塚本晋也監督)106分
「あなたは、この世が無意味だってことに気づいている。知ってるくせにそれを否定しようとして、一層あくせくがんばってしまう。そんな感じじゃないですか?もういいですよ。そんなあくせくやめましょう。ぜんぶ意味ないじゃないですか。人はいずれ死にます。自分が消え、人類もやがて消え、地球が回り続ける。ぐるぐるぐるぐるただ回る。その静寂。すごい綺麗でしょうね。始まりがあれば必ず終わりがある。地球も太陽にのみこまれる。太陽もいずれ燃え尽きる。宇宙を作ったエネルギーにも果てがある。そうでしょう。そんな世界であくせくがんばって、何の意味があるんですか。世界は空虚だ。みんなハリボテの絵空事です。刃物でまっぷたつに切り裂いてやりましょう。」
登場人物が全員ネガティヴでいい感じ。悪夢探偵のやる気のなさがすばらしいですね。特に若宮くんのネガティヴ演説はかなりキてる。「ずーっと前から分かってた。黙っていたけど、ずーっと前からー、気づいてましたー(ばんざーい)!!!!うえ〜ん」笑わせてもらいました。難点を言えばゼロの台詞に説得力がありすぎる(本当に死にたくなる)のとラストがいまいちなところ(hitomiいらん)。エンディングのフジファブリック『蒼い鳥』もイイ。塚本晋也監督作品で初めておもしろいと思った。★1/2