プレスリー VS ミイラ男
「プレスリー VS ミイラ男(BUBBA HO-TEP)」(2002 米 ドン・コスカレリ監督/ジョー・R・ランズデール原作)92分
「スーツの連中なんて信じられるか。ダラスではあいつらに騙されて脳みそをとられてこんな姿になった。今じゃ砂袋を使って考えているんだぞ。ホワイトハウスから脳波を多少は受信しているが、いつまで続くかわからない。ホワイトハウスの誰かに電源を切られたら終わりだ」
「くっだらねえな、どれもこれも。・・・プライドを失ったとか運に見放されたとか、これまで散々愚痴ってきたが、オレにプライドなどなかった。運はよかったほうで、失敗したことは全部自分の責任だ。映画をやる前にパーカー大佐をクビにしとくべきだった。強欲なアホだったが、それに従っていた自分はさらにアホだ。プリシラには悪いことをした。娘に愛していると伝えたい。疑問ばかりで答えが出たことはない。望むばかりで適えられたことはない」
反骨のシルバーロック 1ねん1くみ 高いしともや
(あらすじ)
そっくりさんと入れ替わったエルヴィス・プレスリー、陰謀で全身の肌を黒く着色されたジョン・F・ケネディ。二人はともに老人ホームで生きていたが、ひょんなことから肛門から魂を吸い取るミイラと対決するはめに。
(かんそう)
スカラベやミイラとの対決シーンは若干テンションが上がるものの、残りは人生の虚しさを切々と語るエルヴィスの愚痴とケネディ元大統領の悲痛な電波放送が延々タレ流される。少子高齢化社会に向けて老人の繰言にどこまで付き合えるかというわれわれの忍耐力を試される作品だ。プレスリーの日本誤吹き替えはイメージが違うが、プレスリーのやけくそな心境が巧みに表現されていて感心した。ラスト微妙に感動。★