堕靡泥(ダビデ)の星 美少女狩り
「堕靡泥(ダビデ)の星 美少女狩り」(1979 日 鈴木則文監督/佐藤まさあき原作/大和屋竺脚本)100分
「アウシュビッツを生み、原爆を落とし、数々の殺戮を繰り返してきた人類こそ地球上最強の野獣だ。平和の仮面をかぶって野獣であることを隠している天下泰平のやつらに、人間の本当の姿を教えてやる。」
「見せかけだけの平和。まやかしの文化。そして従順で反抗の意思すら持たない大量の羊を作るための、集団催眠機のテレビ文化。そしてその虚像の上に乗っかり、それを己の価値だとうぬぼれているあの誇らしげな顔。やがて自分が豚以下の動物にすぎなかったことがわかるだろう。」
わたくしのお気に入り映画が発売されたので購入。裕福な家庭に生まれ育った青年が自身の暗い血の宿命に目覚め、好青年の仮面の元に悪徳の限りを尽くすという現代版サド侯爵の物語です。以前なんとかオンラインとかいうクソサイトに書いたので詳しくは述べませんが、初見の折はその伊達邦彦ばりの暗い思想と絶望に満ちた美学にひどく感銘を受けたものです。で、改めて観ると「青年の腫脹」でキレイゴトを並べる女子高生やヒット曲「サマーボーイ」を歌うアホドルを拉致、監禁、調教するという娯楽要素にとどまらず、≪善なるもの≫への背徳行為により逆説的に神の所在を問うという哲学的な問題提起をも孕んでおり、地獄を見ずして神を語るなかれ(逆もまた真なり)という真理を突き付けられた思いが致します。なかんずく極限まで尿意を堪えたヒロインが「あぁあぁあぁあー!」という悲鳴とともに洩らす黄金水の清冽な迸り(リアルな効果音つき)は、観る者の心まで洗い清める鮮烈な名シーンと言えるでしょう(なお、鈴木監督は「聖獣学園」でも同じく背徳美に満ちた放尿シーンを描いています)。まさに映画はロマン(ポルノ)だ!と再認識させられる傑作です。なおご覧のとおりジャケが異常にダサいですが、アホドルの付き人町子(朝霧友香)はとても美少女なのでその方面のマニアは買って損ありません。よい子はみちゃダメ。