ポエム
阿片喫煙患者の夢 1ねん1くみ うのじゅうきち
家の前の酒類自動販売機の前で
工員風の男が全裸でなにごとかをわめいています
男は股間の如意棒をせわしなく操りながら
「交通整理をしているんだ」とぼんやり叫びました
「もうすぐ駅伝がここを通るんです」
汝いかれし浮浪者
一億三千万分の一の
安寧という名のオムツをかぶり
永遠に訪れない駅伝の列を待つ
たけり狂ったおまえの貧しき朕棒を
われ手折りて
空色のポケットにしまいこみ
雨の中を逃げ帰った
メタン臭を放つどぶ川のほとりの
傾きかけたぼろ家の二階の
ほのかに屁の香が染み付いた部屋へ
一目散にかけこむおまへ
むせぶようなうんこの香りを
ためらひがちに吸い込んで
魔法のじゅもんをとなえる
ひらけごま・のぞけぱんつ
そして阿片の神に祈りをささげながら
狂った手斧の跳躍にも似た
脳天への一撃を
待っている