さよなら絶望先生 第一集
「さよなら絶望先生 第一集」(2007 日 新房昭之監督/久米田康治原作)75分
自殺願望の教師(糸色 望)とじょしがくせいたちとのふれあいを通して、暗さと能天気がブレンドされた軽やかな絶望を描き出した作品。昔わたくしが拾って読んでいたサンデーだかジャンプだかに連載されてた『勝手に改蔵』は一風変わった漫画でおもしろかったが、いつのまにかこんなのに受け継がれてアニメ化までされてたとは。「秒速5センチメートルの抜け毛」「6番目のチャクラ○ 6匹目のチャトラン×」「よっちゃん以下」とかいう文句が黒板にチラチラ書かれていて笑った。それにしてもこの主人公のものの考え方は個人的にとても他人とは思えない。かつて虚無が服を着て歩いていると形容されたわたくしもイタチアザラシ様とお遭いして以来こうしてまともになりましたが、実はいまだに死の衝動つまり唐突に自分や他人を破壊したいという欲望を冷徹な理性と超人的な努力により抑制しているのは内緒です。人が死ぬとくさいし汚い、掃除や後片づけもめんどくさい、なにより――《本物の死は死ぬに値しない》。絶望的にそう悟ったのは15の春のことでした。ところで小森霧や常月まといの言動がたいへん好ましいもの(いわゆる萌え属性)に映るのはわたくしがまだ心を病んでいるからでしょうか。★1/2