黒い家
「黒い家」(1999 日 森田芳光監督/貴志祐介原作)118分
しぶき、たてすぎ 1ねん1くみ たからだあきら
冒頭から大竹しのぶの豊満きわまる乳になにかがおかしいと思ったが、わたくしの直感は正しかった。大竹しのぶの言動の端々に見え隠れする精神の綻びと常軌を逸した童顔に刻まれたインスマス的凝視、そこから生じる極度の暴力性。ああ、たまらん。エロイ。こわい。きもい。とてもじゃないがこの主人公みたいな軟(やわ)な神経では保険屋なんて務まらんだろう。「悪魔のいけにえ」との類似性を感じたが、リアリティの過剰がギャグと不快の間のきわどい空気を生んでいてすごくきもちわるかった。それにしても稀に見る秀逸なジャケだ。★1/2