天井縊死 1ねん1くみ 萩原腐太郎
凶悪な猿の思念波が異臭を放つ夜
ニャーという指令を脳天にウケ
わたくしはきんじょの神社に火を放つことにした
腐臭を放つ靴を玄関に脱ぎすて
ハダカデ外に飛び出した
地上を覆うどす黒い影
闇夜に浮かぶマトリョミン
ルンルン奔る街角
チュンチュンさえずる小鳥さん
王政ファックの大号令だ
発狂したキミ(猿)と手をつないで歩く
猿は頬をアカラメテ言った
「殺す」
太郎を眠らせ太郎の屋根に太郎ふりつむ
太郎を眠らせ太郎の屋根に太郎の死体ふりつむ
ひそやかにパンツに忍び込んだ絶望の手が
わたくしのあれをやさしく握りつぶした
狂った猿の脳髄から覗いた世界は
不相応に美しかった