神の見えざる屁
平素より何の落ち度もない一般庶民の皆さまを突っ転ばしたり頭突きをかましたりする妄想にふけっているわたくしが言うのもなんだが、いつもたいへんお世話になっております。さて、厚生労働省の統計によると雑踏の中でひそかに屁を解放したことのある人の割合はじつに95%にものぼるという。これはじつに怖ろしい数字である。なぜなら我々はふだん呼吸をしたり会話をしたり食事をしたりしている間にも空中に拡散し希釈された他人の屁を知らず知らず吸わされていることになるからである。マリリン・モンローがインタビューで就寝時の格好を問われた際「シャネルの5番よ」と答えたという有名な逸話があるが、本人はうまいこと言ったつもりかもしれないが厳密には「シャネルの5番+希釈された屁」と云うべきであろう。このような《受動喫屁》の実態が明らかになると、「屁をこく自由」「他人の屁を吸わされない自由」に関する不毛な議論に発展するのは目に見えているのでこの辺でやめておくが、誤解のないよう言っておくと屁の成分は必ずしも有毒というわけではない。問題は誰の屁かわからないということだ。美少女の屁なら吸ってみたい気もするが、久本や柴田(誰だ)の屁は死んでもイヤだ、むしろ吸うと死ぬという人がほとんどだろう。だがアイドルの屁のカンヅメが発売されたりするほどの市民権を得るにはいたっておらず、いまだもって屁は禁忌の対象であり、文字通り実体を伴わない「透明な存在」だと言えよう。屁に勝るとも劣らないもう一つの厄介な問題はみんなの口臭です。世の中にはおそらく無自覚に、ステキに凶悪でアグレッシブな、むしろファンキーと言ってもよい晴れやかな口臭を振りまいてらっしゃる方がたくさんおられます。なかには口臭などという生易しいものではなく、《存在の内部から漂ってくる絶望的な何か》とでも形容せざるを得ない場合すらある。口臭の原因の多くは口腔内に生息する細菌のかたまり(思考)が放つ汚臭である。しつこいようだが口腔内の細菌が死滅することはありえないので、どんなカワイコチャンでも億単位の細菌の大群を口腔内に飼育しており、放っておけばたちまち思考のコロニーを形成する。もっとも要は程度の問題であるから、これを防ぐには細菌数を減らすようこまめにケアを実行するしかないのだが、現代人は時間がなかったりおざなりの知識しかもっていないため誰もが無自覚のうちに嬉々として野放図に口臭をまきちらしているというのが実態である。ではどうすればよいのでしょうか。解決方法のひとつはヨダレを大量に分泌することである。ヨダレは天然のマウスウォッシュで排泄作用があると同時に殺菌成分も含まれている。嗚呼、わたくしも四六時中ダラダラとヨダレを流すことができればなあ!
・・・という趣旨のことを限りなくうんこに近い口臭を漂わせながらとある方から力説いただいたのだが、残念ながら口臭しか記憶に残っておりません。そんな思いをこめてこの曲を作りました。聴いてください、「キャンプファイアー・イン・サマワ」(後略)
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