世にも奇妙な漫☆画太郎 4
- 作者: 漫画太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/08/19
- メディア: コミック
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「世にも奇妙な漫☆画太郎 4」(2008 漫☆画太郎著)
邪気と無邪気が絶妙にブレンドされた漫☆画太郎の、凶悪にしてエローイッシュな、そして避けがたく死の色彩を帯びたダークな話法には毎度ながら感嘆せざるを得ない。登場人物たちは激突(ドカーン)→爆死(ちゅどーん)→絶叫(うぎゃー)という一連のオノマトペイアを駆使した不条理な死を執拗に遂げつづけるわけだが、この既視感だらけの展開に象徴される確信犯的なパターンニングの手法は、単なる手抜きにとどまらずわたくしどもに奇妙なループ感覚をもたらす。すなわち脈絡のない唐突な幕切れという小規模な死のパターンを繰り返すことによってあたかも死の無限ループを体験しているかのような錯覚に陥り、一種のゲシュタルト崩壊体験ひいてはわたくしどもの存在とは何かという哲学的な問いかけをわたくしどもの前に現前せしめるのである。滅びの幻想と存在論的なカタルシス。この真摯にして厚顔無恥の作風を偉大なるマンネリズムと呼ばずしてなんと呼ぼうか。★